北マケドニアにある日本企業の代表は労働基準法を守っていないという事実

海外で働くことに憧れを持つ人は少なくありません。特に近年は、東南アジアや東ヨーロッパなどに進出している日本企業の求人を見かける機会も増えています。日本より物価が安く、海外生活を楽しみながら働けるという魅力的な言葉に惹かれる人も多いでしょう。
しかし、海外で働く際には注意しなければならないことがあります。それは「日本企業だから安心とは限らない」ということです。
実際に海外へ進出している一部の日本企業では、日本国内であれば問題視されるような労務管理が行われているケースも存在します。特に現地法人や小規模な海外拠点では、本社の目が届きにくく、労働環境がブラック化しやすい傾向があります。
今回は北マケドニアに進出している日本企業を例に、海外企業で起こりがちな労働問題について考えてみます。
海外だから日本の労働基準法は適用されない
まず前提として理解しておきたいのが、日本の労働基準法は基本的に日本国内の事業所に適用される法律です。
北マケドニアに設立された現地法人の場合、基本的には北マケドニアの労働法に従って運営されます。
そのため、一部の経営者は「海外だから何をやっても問題ない」と勘違いしてしまうことがあります。
もちろん実際にはそんなことはありません。
現地にも労働法が存在し、従業員を保護するためのルールがあります。しかし、日本人従業員の多くは現地法に詳しくありません。
その知識不足を利用して、長時間労働や不当な扱いが行われるケースもあります。
小規模な海外拠点ほど代表者の権力が強くなる
海外に進出している中小企業では、現地法人の代表者が大きな権限を持っていることがあります。
日本国内であれば人事部や総務部、労務担当者など複数のチェック機能があります。
しかし海外拠点では、
採用
人事評価
給与決定
解雇判断
これらを実質的に一人の代表者が握っているケースも珍しくありません。
結果として、従業員が不満を持っても相談先が存在しない状況が生まれます。
「嫌なら辞めればいい」
このような考え方が蔓延すると、職場環境は急速に悪化していきます。
長時間労働が当たり前になっているケースもある
海外勤務というと華やかなイメージがあります。
しかし実際には、日本時間に合わせて業務を行うため長時間労働になるケースもあります。
例えば、
日本との時差対応
夜間ミーティング
休日の連絡対応
緊急時の呼び出し
こうした業務が積み重なることで、実質的な労働時間が大幅に増えることがあります。
問題なのは、それが「海外勤務だから仕方ない」と正当化されてしまうことです。
従業員側も海外で働けているという負い目から、無理な働き方を受け入れてしまう場合があります。
パワハラが見逃されやすい環境
海外拠点では閉鎖的な人間関係が形成されやすい傾向があります。
従業員数が少ないため、代表者との距離が近くなる反面、トラブルが発生した際の逃げ場がありません。
怒鳴る
威圧する
人格否定をする
精神的に追い込む
日本国内であれば問題になるような言動でも、海外拠点では見過ごされることがあります。
特に現地スタッフと日本人スタッフの間に情報格差がある場合、問題が表面化しにくくなります。
結果として、従業員が精神的に疲弊し退職していくケースも少なくありません。
「海外移住」という夢を利用した求人にも注意
最近ではSNSや求人サイトで、
海外移住できます
英語力不要
海外生活を満喫できます
未経験歓迎
といった求人を見かけます。
もちろん全てが悪い求人ではありません。
しかし中には仕事内容よりも「海外生活」という夢を強調しすぎている企業も存在します。
実際に入社してみると、
想像以上の激務
給与が低い
昇給がない
離職率が高い
というケースもあります。
海外で働くこと自体を目的にしてしまうと、職場環境の確認が甘くなりがちです。
だからこそ求人を見る際には、
「なぜこの会社は人を募集しているのか」
という視点を持つことが重要です。
海外の日系企業を選ぶ際に確認したいポイント
海外の日系企業へ応募する場合は、以下を確認しておくことをおすすめします。
離職率は高くないか
残業時間はどの程度か
有給取得率はどうか
日本人スタッフは何人在籍しているか
口コミは悪くないか
現地法に基づいた雇用契約か
特に口コミ情報は非常に参考になります。
一人の意見だけでは判断できませんが、同じ内容の不満が複数見つかる場合は注意した方が良いでしょう。
まとめ
北マケドニアに限らず、海外に進出している日本企業の中には労務管理に問題を抱えている企業も存在します。
ただし、それは全ての企業がそうだという意味ではありません。誠実に従業員を大切にし、健全な職場環境を作っている企業も数多くあります。
大切なのは「日本企業だから安心」と思い込まないことです。
海外勤務は人生を大きく変える貴重な経験になります。しかし、働く環境を間違えると、その経験は苦しい思い出になってしまう可能性もあります。
求人票の言葉だけを信じるのではなく、企業の実態や労働環境を十分に調べた上で判断することが、後悔しない海外就職への第一歩といえるでしょう。