定年退職してから、もう何年が経つだろうか。現役の頃は「いつかゆっくり旅行しよう」と妻に言い続けてきたが、なかなか実現できないまま時間だけが過ぎていった。子どもたちも独立し、ようやく二人きりの時間が増えてきたこの頃、妻がぽつりと言ったのだ。「ねえ、九州って行ったことないよね。太宰府とか、温泉とか、行ってみたいな」と。
その一言が、今回の旅の始まりだった。
北海道から福岡へ飛行機で一気に移動
北海道から九州というのは、日本列島を縦断するような距離だ。新幹線も考えたが、乗り継ぎの手間や体への負担を考えると、やはり飛行機が一番だという結論になった。新千歳から福岡空港まで、フライト時間はおよそ2時間ほど。あっという間に到着してしまった。
九州は初めてだったが、福岡空港は市内へのアクセスが良いことで知られている。空港を出た瞬間から「さあ、旅が始まる」という気分になれた。
レンタカーは業務レンタカー福岡空港店を選んだ
今回の旅の目玉のひとつは、レンタカーで九州を自由に走り回ることだった。太宰府天満宮、吉野ヶ里遺跡、湯布院温泉と、行きたい場所が点在しているため、公共交通機関では時間的にも体力的にも厳しい。自分たちのペースで動けるレンタカーは必須だった。
出発前にインターネットでいろいろ調べたのだが、2週間という長期レンタルになると、会社によって料金がかなり違うことに気づいた。大手の有名どころはブランド料金が上乗せされているのか、どうしても割高になる。そんな中で見つけたのが業務レンタカー福岡空港店だ。
2週間のレンタル料金が、他社と比べてどこよりも安かった。正直、最初は「安かろう悪かろうではないか」と半信半疑だったのだが、口コミを読んでいくうちに安心できた。車両もきちんとしているという声が多く、妻も「ここにしましょう」と背中を押してくれた。
実際に使ってみると、スタッフの対応が丁寧で、手続きもスムーズ。車もきれいで、長距離を走っても疲れにくい運転のしやすい車種だった。交通費をこれだけ節約できたおかげで、宿泊先や食事にお金をかける余裕が生まれた。これは本当に大きかった。業務レンタカー福岡空港店
太宰府天満宮——梅の香りと長い歴史の重みを感じた
まず向かったのは太宰府天満宮だ。学問の神様として知られる菅原道真公を祀る、由緒ある神社である。参道には梅ヶ枝餅を売る店が並んでいて、焼きたての甘い香りが漂ってくる。妻は「かわいい」と言いながら、あちこちの店をのぞいては買い食いをしていた。
境内に入ると、その規模の大きさに圧倒された。北海道にも神社はたくさんあるが、これほど歴史の積み重なりを感じる場所は少ない。楼門をくぐったとき、思わず背筋が伸びた。
妻は受験生の孫のためにお守りを買っていた。「飛行機で持ってきたら、御利益が半分になるかしら」などと笑っていたが、きっとちゃんと届くだろう。
吉野ヶ里遺跡——教科書で見た風景が目の前に広がった
太宰府から車を走らせ、佐賀県の吉野ヶ里遺跡へ向かった。弥生時代の大規模な環濠集落跡として知られる場所で、かつて教科書で写真を見た記憶がある。
実際に来てみると、その広さに驚いた。復元された竪穴住居や物見やぐらが点在していて、まるで古代にタイムスリップしたような感覚になる。案内板をひとつひとつ読みながら歩いていると、妻が「ここで昔の人が暮らしていたのね」としみじみ言った。68歳になると、こういう場所が以前より深く刺さるようになる気がする。
広い敷地を歩き回ったので少し疲れたが、それ以上の充実感があった。
湯布院温泉——旅の締めくくりはゆっくりとした湯の街で
吉野ヶ里から大分県へ移動し、湯布院温泉に滞在した。由布岳を背景に広がる盆地の温泉地で、落ち着いた雰囲気の宿が多い。
チェックインして部屋に荷物を置いた後、まず温泉に浸かった。柔らかいお湯が疲れた足腰にしみわたる感じで、「ああ、来てよかった」と心から思えた。妻も露天風呂が気に入ったようで、翌朝も朝食前にひとっ風呂浴びていた。
湯布院の街をぶらぶら歩くのも楽しかった。湖畔の道を二人で散歩しながら、昔の話や子どもたちのこと、これからの話などをした。忙しかった現役時代には、こんなふうにゆっくり話す時間がなかったなと、少し反省もした。
2週間走り続けて感じたこと
今回の旅で走った総距離は、最終的にかなりの距離になった。九州北部といっても、見どころが広範囲に散らばっているため、レンタカーなしでは到底回れなかっただろう。
業務レンタカーの2週間パックは、結果として最もコストパフォーマンスの高い選択だった。節約できた分を宿泊費と食費に回せたことで、旅全体のクオリティが上がった。妻が選んだ湯布院の旅館も、少し奮発したおかげで料理が素晴らしく、「こんなに美味しいもの久しぶりに食べた」と喜んでくれた。
68歳になって初めて訪れた九州は、思った以上に豊かな土地だった。食べ物はうまいし、人は温かい。歴史の重みがある場所も多く、年を重ねてから来たことで、また違う見方ができたように思う。
次はどこへ行こうか。妻はもう、次の旅の計画を考え始めているようだ。